【大紀元日本4月16日】旧ユーゴスラビア国際刑事法廷の女性元検事カルラ・デル・ポンテ氏は、このほど上梓した著書で、コソボの現職のサチ首相が、セルビア捕虜の臓器を売買するのに関与したことなどを指摘した。
カルラ・デル・ポンテ元検事はスイス人、1947年に生まれ、イタリア語、ドイツ語、フランス語、英語を流暢に話す法律学者。1985年に同国の地方検事に任命されて以来、マフィアの隠し口座を暴いたり、元メキシコ大統領の銀行預金を凍結したり、凶悪勢力に屈さない敏腕ぶりを発揮してきた。共同捜査していた同僚が1992年に暗殺され、自身の家にも爆発物が仕掛けられるなどしたため、24時間の警護や防弾仕様の車で保護されるようになった。1994年にはスイスの司法長官に任命された。1999年、旧ユーゴとルワンダの国際刑事法廷の検事に就任し、大量虐殺などの戦争犯罪人を追うことになった。2007年末に任期満了、今年1月からスイス駐アルゼンチン大使に就任。
今年3月末、ポンテ元検事はニューヨーク・タイムズ紙の記者チャック・スデチック(Chuck Sudetic)氏と「追跡---私と戦争犯罪者(「LA CACCIA」)と題する共同著書をイタリアで出版し、中では、1990年代旧ユーゴスラビア国際刑事法廷の検事在任中に、戦争犯罪者の追跡で度重なる妨害に遭ったことなどを明らかにし、 | | 出版された共同著書「LA CACCIA」(CHRISTOPHE SIMON/AFP/Getty Images) | 国際社会で大きな波紋をよんでいる。
同著書で、ボンテ元検事は、「1999年夏、約300人の捕虜、女性や、セルビア人、その他のユーゴスラビア系住民も含まれている。彼らはコソボからアルバニアに転移された。そこでは、捕虜は監禁されて臓器が強制摘出されていた」「摘出された臓器は後にチラナ空港から国外に送り出され、買い取ってくれる患者に移植された」「最初では腎臓が摘出された捕虜らは、再び監禁されて、最後、すべての臓器が摘出されて死んでいった」などと書き記した。
また、ボンテ元検事は、当時のコソボ解放軍(UCK)の上層部はこのことを知っている上、積極的に臓器売買に関与していたと指摘、2006年から2008年1月まで首相在任のAgim Ceku、とその後任で現職のサチ首相は、1999年夏、当時のUCKの主要指導者である、などと告発した。
ボンテ元検事は、「2003年、旧ユーゴスラビア国際刑事法廷は調査員を派遣、告発されていた犯罪場所で調査を行った。血の跡や、注射針、空の薬瓶などを発見、そのうちの一つは手術中に使用していたものと判明したが、残念なことに、これらのものは犯罪を立証する証拠としては不十分である」と補足説明した。
4月1日、この本が出版されてから、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチがコソボの最高指導者と国連に書簡を提出、新たな調査を展開するよう求めたが、現時点までに回答が得られていないという。
スイスの新聞社によると、スイス政府はこの本は出版する時期ではない、元検事の大使の身分と相応しくないとしている。評論家は、これはスイスのバルカン半島での政局に影響を及ぼすと分析している。
(記者・王泓、翻訳・編集/叶子)
(08/04/16 07:27)
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