【大紀元日本1月12日】インドのマンモハン・シン首相は来週、気候変動やエネルギー安全保障などの問題で共通認識を得るために中国を訪問するが、長年の不信感と国境紛争のために、両国は不仲になっている。ロイター通信のサイモン・デニア記者が取材した。
世界で最も速い成長を遂げている経済と、最も人口の多い両国は、アジアの安定やテロとの戦いなど、多くの共通の問題に直面している。
しかし、実際には、中国の龍とインドの象は全く違う生き物だ。共存するようになったかもしれないが、友人というよりは常に敵であるようだ。
シン首相は10日、中国との関係を「絶対不可欠」とし、インドは米国や日本、オーストラリアと徒党を組み中国に対抗するという話題を否定した。
インドメディアによると、首相は「中国の指導者にはっきりさせておきたいのは、インドはいわゆる中国の努力を抑制することは決してない」と記者らに語ったという。
かつては敵であったものと毎年首脳会談を重ねれば、長年の警戒心も徐々に解きほぐされていくかもしれないが、3年前に発表された「戦略的協力パートナーシップ」はいまだにスタートしていない。
ニューデリーのネルー大学東アジア研究主席のアルカ・アチャリア氏は、「今回の訪問をこれまでと比較するなら、ある大きな達成目標を計画していないという点で非常に歓迎されるスタートだ」とし、「ハイレベルの交流であることから、ある程度の正常性はもたらされるだろう…しかし、両国間の関係においては、相当な深さの溝があり、どれほど深いのかわからない」とみている。
シン首相の訪問はまさにそれが目的だ。
「現時点では、中国との関係には満足している」と、シフシャンカル・メノン外務大事は10日、語った。
「十分な前進を果たしている。両国は国境問題の解決に向かっており、国境付近は平和と平静を保っている」という。
共通の立場と紛争地
気候変動に対する反応では、インドと中国は非常に良く協調している。両国とも発展途上国への温室効果ガス排出量の削減義務の呼びかけに抵抗し、西側先進国が削減を多く担うべきと主張している。
しかし、多くの分野で協調が欠けており、国境紛争や関税障壁などの二国間のやっかいな問題もあると、中国の四川大学ジャン・リー氏は語る。
「今回の訪問は、こうした問題では突破口にはならないが、より積極的な方向に向かうだろう」とみている。
アジアの成長を牽引する両国の経済関係は、可能性すらも及ばない。二国間貿易は、300億ドルに達し急速に成長しているが、非関税障壁は高いままである。
インドの不満は、貿易収支がますます中国側に偏っていることで、製品の輸出を増やし、鉄鉱石などの原材料を少なくしたいのである。
駐インドのジャン・ヤン大使によると、中国はインドでの直接投資を阻む障壁を不満に思っており、「公平な条件」を求めている。
しかし、中印関係のより根本的な問題がある。1962年の紛争を引き起こした国境紛争だ。中国は、インドのアルナーチャル・プラデーシュ州の北東部の大部分はチベットに属するとしている。
数十年にわたり、この国境紛争は氷河期を迎え、対話を通しての問題解決に向ける約束しか生み出さなかった。
昨年、中国は、同州内チベット地区にある仏教寺院に対し、中国の領土であると再び主張した。インド軍側は、昨年頻繁に発生する国境侵入を訴えている。インドの民族主義者の神経を逆なでする問題となっている。
ニューデリーの中国研究所の名誉特別研究員ミラ・シンハ・バッタチャルジア氏は「両国関係の協力体制を発展させる必要は大いにあるが、国境問題がクリアされるまで不可能だろう」と見ている。
ほかの懸念もある。インドとは疎遠になっているパキスタンが中国と関係をもって長いことだ。
中国のパキスタンを支援することでインドとの均衡を保つという従来の政策は、成長するインドの強い影響力をからすれば、時代遅れであると、アナリストは見ている。しかし、パキスタンやアフガニスタンのような問題の起こりやすい地域の安定化を進めることで、中印が共同する見込みはいまだ遠いようだ。
北京は、インドが米国との友好関係を増大させ、チベット難民をこれまで支援してきたことを懸念し、注視している。
オークランド大学の上級講師チャン・ヤン氏によると、中国は、インドを脅威とはみていないが、インドは中国を警戒しているという。
同氏は「中国にとって、最大の懸念は、中国の台頭を脅威であるとインドに思わせないようにすることであり、中国の対抗勢力である米国や日本のような国にインドが近づきすぎないようにすることである」と分析している。
(翻訳編集・月川)
(08/01/12 17:43)
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