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伊勢丹と三越が経営統合、日本最大の百貨店が誕生

 伊勢丹(8238.T: 株価, ニュース, レポート)と三越(2779.T: 株価, ニュース, レポート)は23日、来年4月1日に経営統合すると正式発表した。株式移転により共同持ち株会社「三越伊勢丹ホールディングス」を設立し、両社が新会社の傘下に入る。売上高1兆5800億円の日本最大の百貨店グループが誕生する。新会社は、2013年3月期に営業利益率5%を目指す。 

 持ち株会社の本店は、東京都中央区銀座に置く。会長兼最高経営責任者(CEO)には伊勢丹の武藤信一社長が就き、社長兼最高執行責任者(COO)には三越の石塚邦雄社長が就任する。資本金は500億円で決算期は伊勢丹と同じ3月期を採用する。

 統合比率は伊勢丹1に対し、三越が0.34。三越は2000億円とも言われる土地の含み益を有しており、統合比率は三越にとって厳しいものとなった。三越の石塚社長は会見で「株価は、こうした含み益も含んだ値段」とし、違和感のない統合比率であることを説明した。 

 経営統合は「5―6年を見据えて、ステップバイステップで進める」(石塚社長)。まず、統合準備委員会を発足させ、銀座と大阪の再開発や両社の百貨店の並存エリアへの対応、マーチャンダイジング統合などをそれぞれの分科会で進める。その後、2009年度末までに人材交流やシステム統合への実務作業、2011年度末までに商品部の統合やシステム統合を完了、2013年度までにカード事業の統合を進める方針。 

 <2013年3月期に営業利益率5%目指す> 

 伊勢丹の2007年3月期の連結業績は、売上高が7817億円、営業利益は322億円、営業利益率は4.1%。三越の2007年2月期連結業績は、売上高が8041億円、営業利益は126億円、営業利益率は1.6%。両社を単純合算すると、売上高は1兆5859億円、営業利益は449億円、営業利益率2.8%になる。

 伊勢丹の武藤社長は「営業基盤の統合が済んだ段階で、営業利益に跳ね返ってくる効果は100―200億円程度ある。2013年3月期までには、営業利益率5%を出すようにしたい。その後5年のうちに、営業利益1000億円を目指すところまで持っていきたい」と述べた。

 持ち株会社への株式移転はパーチェス法を適用することを見込むが、現時点では「のれん代」を算出しておらず、金額や償却年数は確定してから公表する。また、統合後の業績予想は、両社で設置する統合準備委員会で検討する。 

 <情報システム共有など、統合新会社は伊勢丹カラーに> 

 伊勢丹は、売上規模こそ第5位だが、営業利益率は4.1%と高い利益率を誇る。これを支えるのは、情報システムや業務フローの仕組みだ。一方、三越はゴルフ場開発など過去の負の遺産の処理が重く、営業利益率は1.6%と低迷している。

 経営統合の最大のメリットは、伊勢丹の情報システムなどを三越が取り入れる点にある。武藤社長は「営業基盤が統合されれば、早期に効果が上がってくる」と期待を示す。情報システム、業務フロー、仕入れ機能という営業基盤を統合することで、商品調達力の強化や新規商品開発力の強化につなげたい考えだ。

 両社は重複する店舗が少ないものの、札幌、新潟、新宿、福岡は併存エリアになる。これについては、持ち株会社設立前に統合準備委員会に設ける分科会で検討を進める方針。 

 <志を共有できる社は、将来的に統合参加も> 

 今回の統合は、3月30日の会食の席上、伊勢丹の小柴和正会長から三越の中村胤夫相談役に対して提案したことから検討が始まったという。

 伊勢丹はこれまで、同社のシステムを共有する形で業務提携を進めてきた。今回、三越とは業務提携にとどまらず、経営統合を選んだ理由について、武藤社長は「顧客に対してよりスピードを持って応えるには、ある程度の力が必要」と述べ、スピード感を持って実効を上げるには、提携で時間をかけるより経営統合がより良いとの判断に至ったと説明。

 一方、三越は、2005年からブランド価値向上を目指す「新・三越モデル」を策定。2007年からは「ブランドルネサンス6カ年計画」を進めていた。ただ、石塚社長は「成果は上がってきているが、今のスピードではなかなか満足がいかない」と述べ、伊勢丹と経営基盤を一緒にすることで、その点をカバーしたいと語った。

 伊勢丹の武藤社長は「規模を大きくすれば良いという安易な気持ちはない」と繰り返す。持ち株会社への他社の参加については、当面は、今回の統合に力を入れるため「早晩、どこかと手を組むことは考えていない」としながらも「同じ志を持つ人の参加を拒否するものではない」と、将来には含みを残す。

 経営統合の発表文には「世界随一の小売サービス業グループ」になることを目的として掲げている。百貨店のみならず、スーパーやコンビニエンスストアなども経営環境は厳しくなっており、今後、百貨店という業態を越えた、さらなる再編に進む可能性もある。 

 <三越銀座の増床は推進、大阪開店は再検討> 

 三越は「ブランドルネサンス6カ年計画」のなかで、1800億円を投資し、銀座店の増床リモデルや大阪梅田店の開店などを掲げてきた。このうち、銀座の増床リモデルについては「新グループにおける最初の大型共同プロジェクト」と位置付け、「両社を上げて成功に向けて取り組む」(武藤社長)とした。

 一方、大阪については「この点はよく理解していないのが実態。統合委員会でこれを切り出して、顧客の要望がどこにあるかを精査し、どうのようにするか決めたい」(武藤社長)と、計画見直しの可能性も示唆した。

[東京 23日 ロイター]

(07/08/24 08:58)



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