東京株式市場では、トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース , レポート)が3日に付けた年初来安値7330円を更新し、底割れの動きとなっている。為替相場がドル高/円安となる中で、本来は買われて不思議ではない場面であるのにもかかわらず、トヨタのほか自動車株が全体的にさえない。米国景気に対する不透明感を指摘する声もあるが、膨らんだ仮需が株価にとって重荷になっているという。信用高値期日が到来する夏まで不振が続く恐れがあるとの見方もある。
トヨタをはじめ自動車株の株価不振が目立つようになったのは「2─3月の世界同時株安で米国景気に対して不安感が出始めたあたりから」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)という。その後、鉄鋼、造船、電機など他の主力銘柄の多くは底打ちとなったが、自動車株は下値が見えない状況だ。12日には、モルガン・スタンレー証券が、自動車株の目標株価を一斉に引き下げたことも、雰囲気を悪くしている。13日は、ホンダ(7267.T: 株価, ニュース , レポート)、日産自動車(7201.T: 株価, ニュース , レポート)も年初来安値を更新した。
ただ、米国に関しては、3月の米国内自動車販売台数が全体で前年比マイナス2.9%となる中で、日本車は好調をキープするなど、足元は悪くない。トヨタは同プラス7.7%だった。一部で日本車のシェア上昇が摩擦を生むと懸念する声も出ているが、最近のドル高/円安も合わせ考えれば、自動車株を売る環境ではないようだ。
世界的に自動車業界を底上げしているBRICsでみても、トヨタの今年第1四半期の中国(香港を含む)の自動車販売台数は前年同期比でプラス66%を記録した。こうした点から「自動車株の崩れは、米国景気などファンダメンタルズは後講釈に近い。最近の株価下落は別の理由がありそうだ」(SBI証券・投資調査室長の鈴木英之氏)との見方が出ている。
そうした中で注目されているのが、信用買い残高の増加だ。トヨタ自動車の直近(4月6日申込み現在)の信用残高は、売りが71万3500株、買いが1095万5600株、信用倍率は15.35倍。7000円台の銘柄で1000万株を超す信用買い残は需給面でかなりの重荷となる。しかもトヨタの買い残は2─3月の急落局面で膨らんだ。その後の株価下落で上値にシコリを作った形となり、下げ止まらない動きから、投げ売りが活発化している可能性が高い。
これについて「全体の急落局面では“質への逃避”が言われたため、先行きの見通しが明るい自動車株に押し目買いが入ったが、今思えば、そうした投資家の行動があだになった」(準大手証券情報担当者)との声が出ている。
ある中堅証券の幹部は「トヨタが好調なのは言うまでもない。ただ、戻ればヤレヤレ売りに押されるのが明らかな需給悪の状態で、上値を積極的に取ることはできないだろう。信用買い残の反対売買の期限である信用高値期日が到来する夏まで株価不振となることも十分ありうる」と話す。
トヨタが上場来高値を付けたのは2月27日。その信用高値期日は半年後の8月27日となるが、信用買い残が急増したのは2月26日─3月2日の週とあって、9月の初めまで重い需給と格闘する展開となる可能性もある。
[東京 13日 ロイター]
(07/04/13 13:41)
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